Jazzで聴く『枯葉/Autumn Leaves』3選。

音楽

秋に染み入る「枯葉」。

もともとはシャンソンのスタンダード、「枯葉(Les Feuilles mortes)」。
アメリカでカバーされるようになって、「Autumn Leaves」とも呼ばれるようになりました。

マイナーコードでどこか物悲しく、親しみやすいメロディということもあって、
日本では人気です。

秋も深まったことですし、
秋の夜長にJazzで聴いてみてはいかがでしょう。

※この記事は主に夫が思うがままに書いています。

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「カッコいい」枯葉。Sarah Vaughan/サラ・ヴォーン

いきなりの変化球です。
初めて聴いて「枯葉」だとわかった方は凄いと思います。
疾走感が凄くて、大音量で楽しみたくなります。

思うに、原曲を崩し切ったという意味で、ある意味最もJazzっぽい枯葉ではないでしょうか。
サラ・ヴォーンはジャズ・ヴォーカルとしては恐らく5本の指に入りますが、
この曲は全てスキャットだけで押し切ります。
さながら、サックスやトランペットのような管楽器のソロのようです。
枯葉のメロディはほぼ聴き取れませんが、カッコいいのだけは間違いありません。
ヒトの声帯もひとつの楽器だ、ということを気づかさせてくれます。

イントロはギターソロから始まります。
甘いジャズギターの音と速いフレーズの対比が素晴らしいと思います。
スキャットが始まると、バッキングに徹することができるのもギターのいいところ。
スキャットが二巡すると、ギターソロとスキャットの掛け合いに移ります。

あとはピアノ、ベース、ドラムのリズムセクションも
スキャットとギターを煽る煽る。
ソロを取ることはないのであくまで黒子ですが、
この曲の疾走感の源は間違いなく、このリズムセクションです。

Sarah Vaughan – vocals
Joe Pass – guitar
Roland Hanna – piano
Andy Simpkins – bass
Harold Jones – drums

1982年のAlbum「Crazy And Mixed Up」から。
当時サラ・ヴォーンは58歳で円熟期といったところですが、
新しい音が創り出せていることに感銘を覚えます。
私たちも40代でも元気をもらえる気がします。

1曲単位でストリーミング再生も可能です。
下記はAmazonの例です。

「軽やかな」枯葉。Bill Evans/ビル・エヴァンス

軽やかで馴染みやすい、ピアノ・トリオの枯葉です。
一番初めにJazzの枯葉を聴くのにおススメというだけでなく、
Jazzを聴き始めるのにもおススメのアルバムです。

イントロのアレンジもお洒落ですし、
ピアノもベースもしっかりアドリブあり、
掛け合い(インタープレイ)ありで、
最後まで楽しませてくれます。

また、聞きやすさ、親しみやすさが
ビル・エヴァンスの特徴のひとつで、
なおかつ、ある程度Jazzを聴いた方も
違和感なく戻ってこれます。
評論家の方がビル・エヴァンスを
「日本人にとってのお米」
と例えてもいましたが、確かに馴染みやすさはその通りです。

ビル・エヴァンスといえば、
「Waltz For Debby/ワルツ・フォー・デビイ」が
一番有名なアルバムではありますが、
是非、一度聞いてみてほしいアルバムです。

Bill Evans – piano
Scott LaFaro – bass
Paul Motian – drums

1959年のAlbum「Portrait In Jazz」から。
ベースのスコット・ラファロが加わったトリオの傑作は
この後、「Explorations」、
「Sunday at the Village Vanguard」、
そして「Waltz for Debby」と続きます。
いずれも愛聴盤です。

1曲単位でストリーミング再生も可能です。
下記はAmazonの例です。

「渋い」枯葉。Cannonball Adderley/キャノンボール・アダレイ

一番有名なJazzの枯葉といえば、
このバージョンかもしれません。
イントロを経て鳴り出す、
ミュート(消音器)付きのトランペットの音色から渋いです。

キャノンボール・アダレイはアルトサックス奏者ですが、
このアルバムは最もJazzで有名かもしれないトランぺッター、
マイルス・デイヴィスが実質制作したアルバムとして知られています。
マイルス色が強すぎて、個人的にはかなりアレンジに寄りすぎてしまって、
Jazzの自由さが少し失われているのではないかとも思うくらいです。
(実際、マイルスは映画のサントラも素晴らしい作品を残しています。死刑台のエレベーターなど)

しかし、それだけに作りこまれた世界観には統一感があります。
個人的には1960年代のライブでバリバリとHotにトランペットを吹きまくっているマイルスが
一番好きなのですが、こうしたクールな音作りもマイルスの強みのひとつであることは間違いないと思います。

Cannonball Adderley – alto saxophone
Miles Davis – trumpet
Hank Jones – piano
Sam Jones – bass
Art Blakey – drums

アート・ブレイキーの静かな(?)ドラミングも一聴。

1958年のAlbum「Somethin’ Else」から。
ジャケットもいかにもブルーノートっぽい。
枯葉以外にもタイトル曲「Somethin’ Else」など楽しめます。

1曲単位でストリーミング再生も可能です。
下記はAmazonの例です。



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冷えとりなるままに。

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